『急いで売りたい』という話には落とし穴がある!
昨年の秋口に、弊社でも実際に相談があった本当の話です。
亡くなった前夫の遺産(区分所有建物)を子供が相続したが、不要なので売却したい!という相談…あれは忘れもしない沖縄石垣島に出張中の出来事でした。
まずは、相続登記をしないといけません…しかし、家庭上の理由から再婚、養子縁組を繰り返し、相続人は何人もいる。
この特定ができない状況下で、その母親(相談者)に対しアドバイスをするのは難点がある。
一応、現地を見せてもらう。
単身者だったせいもあって、内部の手入れはされておらず、荒れ放題。これではエンドユーザーに現状での売却は難しいだろうと判断し、業者による買取を提案。
しかし、その後『鍵は一本しかない』『相続登記はすぐできる!』というような不可解な話が多く、究極は年末年始に登記関係手続きもできない状況にもかかわらず、『貴社の買取価格よりも高いところがある』『それ以上の価格で買い取ってもらえないのか?』という内容が…。昨年の年末年始は、フィリピンセブ島に滞在しており、帰国後すぐ連絡をすると何やら慌てた様子。
結論はお断りをしました。
その後、どうなったかはわかりませんが、時と場合によっては「断る」勇気も必要なのです。『急いで売りたい』という話には、落とし穴があります。恐らく、金銭的に何らかあったのかもしれません。
相続の場合、「相続人の特定」⇒「真の所有者の確定」が第一優先されます。ましてや未成年者の相続となると、簡単には進まないのが現実です。
先日買取契約を締結後に残金決済予定日前日に解約になった話も同じような経過でした。
当初『〇〇日までにお金がいる』当然、急いで売る場合は買取となるわけだが、異常なくらいに切羽詰まった応対をされる。
救いは、本人確認を行なったうえで、司法書士同席で契約時に所有権移転仮登記を設定。普通なら特別な手続きは踏まないが、何となく嫌な雰囲気があったので、保全のために手配をしたところ、「転居できない」と言い出す次第・・・。
結果、さらに条件の良い?第三者へ契約締結を取り付けたうえで?解約の申し出をしてくるという始末。契約の解除前に第三者への二重売買締結の可能性を疑うこともあったが、解約時に違約金を支払うというので、受領と同時に解除した。後から思うとこれでよかったと思うばかり。
〇大手不動産会社在職時にもあった代理人契約の本人確認問題
「委任状にサインした覚えはない」こんな内容から、契約の無効を主張された話もあった。
〇大手ハウスメーカーが巻き込まれた地面師詐欺
63億円もの金を誰がせしめたのか?本人確認書類の偽造をされ?業者転売?いくら好立地な場所といえど、いとも簡単に騙される・・・どうなっているのか??
『早く金が欲しい』という話にはロクな話がない・・・
不動産の名義を変えるには、所有者は以下書類が必要です。
1.不動産の所有者を証明するもの(登記済証・登記識別情報通知)
2.印鑑証明書(有効期間3カ月以内のもの)
3.登記住所と異なる場合は、登記時の住所と現在住所の繋がりを証明できるもの(戸籍附表・住民票等)
4.本人確認書類(運転免許証やパスポート、保険証など)
今回の事件においては所有権移転仮登記時点で売買をすることに問題があったのでは??